指導者の方に言いたい…「〝未来の宮本慎也〟の夢を奪わないでください」

2000本安打にあと7本となったヤクルト・宮本慎也選手。先日、24年連続ホームランを放った谷繁選手もそうですが、同学年の選手が今もまだプロで頑張っているというのは嬉しい限りです!(^^)

さきほど、報道ステーションにて宮本慎也選手の特集もしてましたが、宮本選手がヤクルト入団当初2000本を打つ選手になるなんて、誰も思っていなかったとか。当時の野村克也監督から「自衛隊」と言われていたというのは有名な話し。つまり〝守るだけの人〟。実際、守備は鉄壁だったけど、バッティングのレベルはかなり低かったそうです。

そんな宮本選手をアマ界からプロへと導いたのは現・ヤクルト監督の小川さん。当時スカウト3年目だった小川さんは「あれだけの守備力があればバッティングはプロ入り後でも何とかなるのではないか」とプリンスホテル(社会人野球)の宮本選手をリストアップ。175センチと〝小柄な守備の人〟を2位でいったのは、球団としても高く評価したからでしょう。

実際、入団してから数年の打撃はさっぱりでしたが、中西太コーチの指導を受けてから開花し、ヒットを量産していきました。ほんと、先はわからないものです!いや、小川スカウト(当時)に見る目があったんでしょう。

そんな宮本選手についての面白い記事を先日発見しました。25日(水)の日刊スポーツ終面。毎週水曜日掲載の「ファミスポ〝家族の力〟」、毎回、旬の選手の家族が出てきていろいろ語るのですが25日は宮本選手のご両親が登場していました。私は新聞を読むとき、参考になりそうな記事を蛍光ペンでラインを引きながら読むのですが、ガンガン線を引いちゃいましたよっ



チャキチャキの大阪のオカンのお母さんと、少し冷静なお父さん。目を引いたのは中学時代に所属した摂津シニア時代の話し。読んでいただければわかると思いますが、父談として…「シニアを卒団するとき宮本がPLなんて10年早いわ」って言われたそうです。母談として…「甲子園出たら逆立ちして歩いてやるわって言った人もいましたから」とのこと。小柄な宮本選手に指導者がこうい言ったそうです(今は指導者はかわっています)

さらに父談として…「その子将来どうなるかなんて分からんのにめったなこと言うてくれるなって思いますよね。その子が将来どうなるかわからんのに、そういうことを言い切るっていうのは、子供の夢をつぶすことになるから、現に2000本打つ選手になったわけじゃないですか。あのままつぶれたら、今はなかったし。小さいからできへんていうのはおかしいって」とも。

これ、ありがちだな~って思って読みました。体が小さいだけで烙印を押す指導者、中学にも高校にもいっぱいいるんです。大きい選手しか取らない高校もありますから、それは「小さい選手はダメ」といってるようなもんですよね。センスに溢れる子もいれば、まるでセンスがない…という子もいるのは事実ですが、中学や高校じゃまだわからない! そんな烙印押さないでよ…って思います。「お前はダメだ」と信頼される指導者に言われれば、「見返してやる!」って思う子もいれば「自分はダメなのか…」って思ってあきらめてしまう子もいるじゃないですか!(逆に、中学・高校で才能がある選手をチヤホヤ持ち上げすぎてテングにしてしてダメにしてしまう指導者もいますねっ)

中学野球、高校野球を長年見ていると、素晴らしい指導者もいっぱいいるなぁと思う一方で、「なんでそんなこと言うんだろう…」とか、「なんでそんなこと気付かないんだろう…」とか、「なんでそんなこともできないんだろう…」と思う指導者もいっぱいいます。〝指導力〟以前に人間としてどうなのかな…って人。

少年野球、中学野球、高校野球の指導者の方、ぜひ、選手たちが、これもからも頑張っていけるような声がけをお願いします! もちろん、時には厳しい言葉も必要だと思いますが、その子にその言葉をかけたらどうなるのか…など、性格をよく把握しての言葉がけをぜひしていってほしいと思います。それが指導者。未来の宮本慎也は少年野球界、中学野球界、高校野球界にもたくさんいるはずですから!